モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。

もちろん、莉世と比べるわけじゃない。


でもあまりの違いぶりに、同じ双子でもここまで違うのかと驚く。


今まで同級生に双子とか、いなかったし。


にしてもまさか、莉世に双子の姉がいたとは……


家のこととか、全然教えてくれないから、知らなかった。


「それで、今日はどうしてうちに?」


首を傾げて、不思議そうにする莉世……じゃない、莉香ちゃん。


莉世とは瓜二つだからか、思わず莉世がその可愛い仕草をしていると錯覚してしまう、バカな俺。


違うって分かっているのに、どうしても、莉世と重なって見えてしまう。


何考えてんだよ俺は………


同じ顔だって言っても、2人は別人。


莉世は莉世。

莉香ちゃんは、莉香ちゃんだし。


「今日、莉世が体調崩して休んでるから、そのお見舞いに」

そう言って、ゼリーやらスポドリやら、食欲がなくてものどに通りそうなものが入った袋を持ち上げた。


「それで、莉世に会いたいんだけど、会えそうかな?」


「あっー……っと」


「ん?」


これを莉世にと、提案すれば、莉香ちゃんは気まずそうに口ごもった。


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