モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。
「莉世、めっちゃいい匂いする……」
「あんたは犬か!!」
いや、変態!!
意味不明のことをつぶやき、スリッと頭に頬を擦り寄せてくる。
「ちょっと、蒼井!?」
「んー……」
私はぬいぐるみでもないし、抱き枕でもないし、動物でもないんだけど!?
てか、ほんと近いってば!!
グイグイと胸の当たりを押さえるけれど、効果はゼロ。
寧ろ、抱きしめる力が強くなってる気がする。
「んー、やっぱこんなんじゃ全然足りない。
ね、キスさせて?」
「はあ!?」
自分の唇をペロッと舐めて、顔を覗き込まれる。
その目が一瞬、ギラッと光ったのは、絶対気のせいだ、気のせい……