モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。
その返答に素っ気なく返して、拭くのを再開すれば、じっと見られているような視線を感じて。
「なに?」
その方向へ顔を向ければ、そこには嬉しそうにしている蒼井。
こっち見てる暇があるなら、手、動かしてよ!!
「へぇ……、霧雨が俺のこと心配してくれたなんて」
「はっ!?」
ニヤリと笑ってそういうもんだから、慌てて否定した。
「べ、別に心配なんか……
味噌汁がどうのこうのって言ってたのを聞いたから、それで……」
「それでも、こうやって手伝ってくれてるのは事実だし。ありがとうな」
「べ、別に……」
「あー、なんかめっちゃニヤける」
ニヤける?
今…笑う要素、あった?
その嬉しそうにしてる顔も……
ほんと、意味分かんない。
否定すればするほど、心配していたのを認めるような気がして、それからは拭くことに集中した。