モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。

「って言うのは口実で」

「口、実?」


口元に手を当てて、ふいっと横を向く蒼井。


えーと、なにこの反応?

余裕がなさそうに眉を下げて、何か言いたそうに口を開けば、また閉じてしまう。

はっきり言えばいいのに……


「……取られたく、なかったから」

「はい……?」

「普段クールなくせに、ああやって、なんでもないように人を助けたり。女子に向かってきっぱり言い切ったり」


別に、クールじゃないし……

だからそれは、当たり前のことをしただけで……

「あんな一面を見たら、男は単純だから、すぐに堕ちるわけ」


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