モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。
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「じゃあ、蒼井くん。
莉世のこと、よろしくね」


昇降口に着き、ローファーに履き替えると歩優は笑顔で振り返った。


「けど………」


「今は蒼井くんが傍にいてあげて。
私は、今もあの時も何もできなかったから……」


今にも泣きそうな顔で笑った歩優に、ぎゅっと胸が締め付けられる。


違う。


それは違うよ、歩優……


歩優は……


歩優のおかげで私は……


「莉世……」


「……な、に?」


再びぼやける視界の中で、私の目の前に来た歩優はもう一度ぎゅっと手を握ってくれた。


「蒼井くんなら大丈夫。絶対に莉世のことを助け出してくれるから」


「っ……あ、ゆ…」


「じゃあ、またね!!
打ち上げの方には私の方から言っとくから!」


そう言って目元を拭いた後、手を振って帰って行った。


「莉世」


「な、に?」


「帰ろうか」


「うん……」


頭をポンと撫でられた後、蒼井とふたり、学校を出た。


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