モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。
「………」
「………」
手をつないだままふたり、無言で歩く。
本当はこんな弱い姿を蒼井に見られたくなかったのに、また見られてしまった。
見られたくない所ばっかり気づかれたり、見られたりしてるなぁ、私……
チラリと気づかれないように目線だけ動かして隣を歩く蒼井を見る。
ずっと黙ってるけど、また遠慮してくれてるんだろうな……
伊吹とのことがあったのは、蒼井の前じゃこれが2回目。
未だに何も聞いてこないのは、きっと私の気持ちを尊重してくれている、蒼井の優しさ。
「星、綺麗だな」
「え?」
すると、唐突にそんなことを言い始めた蒼井。
その横顔は、暗闇の中だったけれど、どこか優しい表情で空を見上げて、星を見ているのが分かった。