モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。
だけど、このままじゃいけないことは自分が1番よく分かってる。
いつまでそこにいるのか。
いつまで過去を、後ろを向いているのか。
それを乗り越えない限り、本当の幸せや、明るくてまぶしい世界や日常が始まることはないんだ。
「ねえ、蒼井」
「ん?」
ぎゅっとつないだ手に力を込めて、蒼井の目をしっかり見つめて。
「私、ちゃんと前を向いて歩けるように、頑張るから」
「うん」
「だから、もう少し……もう少しだけ、私に時間を下さい」
最後の方は声が震えそうになったけど、しっかり伝えられた。
蒼井の目を見て、今の自分の決意を、気持ちを伝えられた。
「莉世……」
一瞬蒼井は目を大きく見開いたけれど、すぐに優しい顔で笑った。
────────ドキっ
「うん。
待ってる」
キラキラと瞬く星空の下。
辺り一体は暗くて、街灯の灯りしかないはずなのに。
蒼井の笑顔が、青空の元で雨上がりの街を照らす太陽のように、キラキラと輝いて見えた。