モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。
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「今日は、本当にありがとう」


それから暫く歩き、気づけば家の前に立っていた。


「気にすんなって。
少しでも莉世の救いになれたなら、俺にとってはそれが1番嬉しいし」


そして、するりと離れた手。


あ……


「どうした?」


「あっ……、いや」


なんだろ……


なんか、寂しく感じる……


変に物足りないみたいな。


今までだったら、絶対にありえなかったのに。


ずっとつないでいたせいか、伊吹に会って心が疲れたせいなのかは分からないけど……


こんな名残惜しい気持ちは、蒼井と出会って初めてかもしれない。


だけど、今日は散々迷惑かけてるし、こんなの自分のキャラじゃないから、言えるはずもないし……


「…………」



なんとも言えず、離れていった手をそっとなでて俯いていると。



「今日さ、俺に言ってくれた言葉、覚えてる?」



唐突に蒼井がそんなことを言った。



「蒼井に言った……言葉?」


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