モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。
私、何か言ったっけ……?
確かに色々言ったかもしれないけど、今蒼井が怪しげな笑みを浮かべている原因となるような発言を、した覚えがない。
待って、待って?
私、本当に何言ったっけ!?
寂しい気持ちから一転。
今日一日の出来事を振り返ようと考え込んで、ハッとする。
も、もしかして………
「し、試合に勝ったら、蒼井の言うこと、なんでも聞くってやつ……?」
おそるおそる探るようにして蒼井を見上げれば、さっきまでの優しい表情は嘘だったのかと言いたくなるくらい、にっこり笑う。
「うん。それ」
か、完全に忘れてたっ!!!
タラりと、冷や汗が背中を伝う。
伊吹とのこともそうだけど、何より恥ずかしすぎて記憶から消したいと思ってたし、
蒼井も、は、離せないとか襲うだとか言ってたから、内心真っ赤になってて……
って、照れてるってどういうこと!?
別に蒼井の言葉なんか、いつも通り真に受けないで、適当に流せばいいものの、変に動揺しすぎでしょ、私!!