モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。
「よく和栗と甘いの食べてるし、前にアップルティーあげた時も嬉しそうにしてたし」
首を傾げる私の頭に、ポンッと手が置かれる。
「それに、昨日打ち上げ行けなかっただろ?だからその代わりと言ったらあれだけど……」
と、頬を掻きながら、少し恥ずかしそうに蒼井は笑う。
そっか……
だから、このお店に……
スイーツバイキングなんて、男子があんまり好まなさそうな所を選んでくれたのも……
「っ……」
心臓が、トクントクンと優しい音をたてて、思わず口角が上がってしまうのが自分でも分かる。
「嬉しい……」
「え?」
気づいたら、ポロッと零れ落ちていた言葉。
私が喜ぶと思って連れてきてくれた。
全部、私のためを思って……
その優しさが、その気遣いが、言い表せないほど嬉しくて。
ほんの些細なことかもしれないけど、私が知らない間に、色々調べてくれたことが何よりも嬉しくて。
いつもは素直に言えない言葉も、今は自然と出てきてしまった。
「あ〜、もう……っ、だから反則だって」
「え?」
うめくような声に隣を見れば、頬がほんのり赤に染まる蒼井が。