モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。
最近こんなのばっかり。
蒼井の言動に一喜一憂して、ドキッとしたり、顔が熱くなったり。
昨日だって、つないでいた手が離れていったときも、少し寂しいなんて思ってしまったり。
最初は蒼井を完全拒否して、嫌悪感しかなかったのに、今となってはこうやって、一緒にいられる時間が当たり前のように感じられて。
「莉世?」
蒼井のことも、プレイボーイで変態な女たらしクソ野郎としか思ってなかったのに。
「おーい、莉世ってば」
だけど、今ではそれが、全く別の感情になっている気がする。
蒼井の優しさに触れる度に心がトクントクンと音をたてて、高鳴って。
それがどこか、ほんのりあたたかくて。
恥ずかしさや、くすぐったさの、その先にあるこの気持ちはきっと……
「おい、莉世!!」
「うわっ!?
な、なに?」
ハッとすれば、鼻先がつきそうなくらい近い距離に、心配そうな蒼井の顔が。
ち、近いっ……
「いや、急に黙っちゃったから、何かと思って」
「な、なんでもないっ……」