モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。
「満足できた?」
「うん。とっても」
──────1時間後。
お店を出て、次は映画を見に行くことに。
「よし。じゃ、行くか」
「ちょっ、手……!」
なんのためらいもなしにすくい取られた手は、ぎゅっと蒼井によって包まれる。
「ん?さっき来る時もつないでただろ?
それに今日はデートだし、一日莉世をひとりじめできるんだから、1秒でも多く莉世に触れてたい」
「なっ……!?」
ど、どストレートすぎでしょ!!
またもや急に爆弾を落とされ、絶句する私に蒼井は続ける。
「まあ、今でも十分手応えは感じてるけど、もっともっと俺のこと、意識してもらわないと」
「っ……」
なんてニッと笑って、次は指を絡めてくる。
バレてる……
私が蒼井のことを、意識しつつあること。
蒼井に胸を高鳴らせていること。
いつもみたく強く言い返したいのに、冷たいことを言って突き放したいのに、図星すぎて言葉が出てこない。