モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。

「ふっ、首まで真っ赤。
ほんと、かわいいなぁ」


「っ……」


ああ、もう私どうしちゃったんだろう……

なんにも反論できないなんて。


青空の下、太陽に反射して輝く蒼井の笑顔。



ああ、もう……蒼井相手にこんなにドキドキなんて、したくなかったのに。


そう思う気持ちとは裏腹に、心臓は収まることを全く知らない。


寧ろ鼓動は早くなるだけで、とてつもないほど甘さを含んだ視線と雰囲気に、頭がクラクラする……


「そういうわけで、この手は絶対に離しません。
OK?」


聞かなくても分かってるくせに……

ほんと、ずるい。


そして、もはや頷くことしかできない私にふっと微笑むと、ちゅっと優しいものが耳に押し当てられて。


「行こう。とびきりのデートにしてあげる」


最後につないだその手の甲に、そっと口づけられた。


え、とびきりのって……


まだこれ以上のがあるってこと!?


もうめまいがしてきそうなくらい、十分なんだけど……



「莉世、俺の本気はまだまだこんなもんじゃないよ?」


「………」



どうやら蒼井……

いや、プレイボーイが私を落とすために、本気を出し始めました。


< 217 / 318 >

この作品をシェア

pagetop