モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。
「ふっ、首まで真っ赤。
ほんと、かわいいなぁ」
「っ……」
ああ、もう私どうしちゃったんだろう……
なんにも反論できないなんて。
青空の下、太陽に反射して輝く蒼井の笑顔。
ああ、もう……蒼井相手にこんなにドキドキなんて、したくなかったのに。
そう思う気持ちとは裏腹に、心臓は収まることを全く知らない。
寧ろ鼓動は早くなるだけで、とてつもないほど甘さを含んだ視線と雰囲気に、頭がクラクラする……
「そういうわけで、この手は絶対に離しません。
OK?」
聞かなくても分かってるくせに……
ほんと、ずるい。
そして、もはや頷くことしかできない私にふっと微笑むと、ちゅっと優しいものが耳に押し当てられて。
「行こう。とびきりのデートにしてあげる」
最後につないだその手の甲に、そっと口づけられた。
え、とびきりのって……
まだこれ以上のがあるってこと!?
もうめまいがしてきそうなくらい、十分なんだけど……
「莉世、俺の本気はまだまだこんなもんじゃないよ?」
「………」
どうやら蒼井……
いや、プレイボーイが私を落とすために、本気を出し始めました。