モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。
「莉世と莉香ちゃん、顔はそっくりなのに、性格とか雰囲気とかは正反対……って、莉世?」
見られた。
見られた……見られた!!!
隣で蒼井が何か言ってるけど、何も頭に入ってこない。
ドッドッドッと心臓が激しく暴れまくって、全身からぶわっと冷や汗が出てくる。
たとえ知っている人であっても、仲の良い人であっても……ましてや蒼井にだけは、絶対に莉香を会わせたくなかったのに。
莉香の存在を知られたくなかったのに。
誰かが私にお見舞いを持ってきてくれたことは知っていたけど、まさかそれが、蒼井からのだったなんて。
莉香はそんなこと、一言も……
だけどあの日、確かに蒼井は、莉香とバッチリ会って……
「っ……」
「莉世?」
それが分かった途端、まるで血液が逆流するかのような感覚に襲われる。
どうしよう、どうしよう……