モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。
この道は………
“ 今日は近道して帰ろ? ”
その声と共に、突然過去のことがフラッシュバックして、頭の中をものすごいスピードで流れていく。
あの子の声、笑顔。
そして。
何かと何かがぶつかる、耳を塞ぎたくなるような大きな音──────。
「はぁ、はぁっ……」
「莉世?」
落ち着いていたはずの呼吸がまた、涙で霞む視界の中で乱れていく。
あの日、あの日もこうやって、近道した日だった。
あの子の提案を止めていれば。
私が隣にいたのに……
私が、あの時頷かなかったら………っ
「莉……」
「いやっ………!!!」
「っ!?」
─────ハッとした時にはもう、遅かった。