モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。
─────────


「なるほど、そんなことがあったのね……」


「うん……」


休みが明けた月曜日。

今は昼休みで、歩優と2人、中庭にいる。


一応蒼井とは話したりはしたけれど、前みたいな…抱きついてこようとしたり、必要に近づいたり、なんてことはない。


そのせいか、蒼井と私が別れた、そんな噂が早々に流れているみたいで。


隣の席っていうこともあって、休み時間になると、すぐに歩優の席に移動していた私。


それがますます噂に拍車をかけて、蒼井の周りには前のように、女の子たちで溢れかえるようになってしまった。


そもそも付き合ってたわけでもないのに、その光景を見て1人、落ち込む私。


自業自得のくせにね……



自分が情けなさすぎて、涙さえも出てこない。


蒼井は優しいから、いくら私が近くにいようとも、その子たちを拒絶することはない。


仲良さそうに話して、笑い合って。


元の、プレイボーイの蒼井と、同じクラスメイトの私…その関係に戻っただけ。


だけど、好きな気持ちはむしろ、ますます膨らむ一方で。


その手を振り払ったのも、逃げ出したのも自分なのに、女の子たちに囲まれる蒼井を見ていると、息が詰まるようで。


ぎゅっと胸が苦しくなる。



だから、必要に目を合わせないように、蒼井の姿を視界に入れないようにすることに決めた。



< 231 / 318 >

この作品をシェア

pagetop