モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。
勝手だなぁ、自分……
蒼井はいつも真正面からぶつかってきてくれて、いくら私が突き放そうとしても決して離れていくことはなかったのに。
私が悲しんで、苦しんでいる時はいつもヒーローみたいに助けてくれて。
でもその存在がなくなった途端、寂しいと思うだなんて。
自分からその手を離したくせに、勝手すぎる。
「……莉世は、それでいいの?」
デートでのこと、蒼井への気持ちを自覚したこと、そして、離れる決心をしたことを全て、歩優に話した。
「莉……」
何かを言いかけようとした歩優だけど、その心中が分かって、ふっと視線を逸らす。
歩優が言いたいことは、十分分かってる。
だけど、私は決めたから。
「うん、これでいいんだよ……」
ゆっくり空を見上げて、そっと目を閉じた。
まるで夢の中にいるみたいな、2ヶ月だったなぁ……
蒼井と出会って、話すようになって。
時にイラついたり、ムカつくこともあったりしたけど、いつしかその気持ちに変化が訪れて。
ただのチャラチャラとしたクラスメイトとしか思っていなかった蒼井のことを、いつしか自分でも驚くくらい、好きになっていた。