モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。
真実の扉【宙side】
*
ガクンと首が下に落ちて、完全に意識がなくなった莉世。
「莉世っ!!!
莉世っ!!!」
土砂降りの雨が当たり、どんどん冷たくなっていく莉世の体。
クソっ……!!
このままじゃ、莉世も俺も、冷えて風邪引いてしまうっ……!!
とにかく早く莉世の家に行くしかない……
なんとか莉世を片手で支えたまま折りたたみ傘を差し、抱きあげようとしたその瞬間。
「ん………」
「……莉世?
莉世っ!!
大丈夫か!?」
慌てて呼びかけると、そっと目を開き、こちらを見る莉世。
どこかぼんやりしているけど、顔色もいつも通りだし、特に体調が悪いわけでもなさそうで。
「莉世………」
そっと頬に張り付く髪を払いのけて、頭をなでる。
良かった………
ほんとに良かった……
一瞬意識が落ちたみたいだけど、また戻って。
心配で、心臓止まるかと思った……
ホッと心の中で安堵するも、傘の向こうは土砂降りの雨。
いくら意識が戻ったとはいえ、歩くのは難しいかもしれない。
「莉世、嫌かもしれないけど、俺の背中に乗って………」
確かにいつも通りだった。
声も顔も、髪型も。
だけど、違った。
「あ、おい……く、ん?」
「え……?」
「蒼井くん……だよね?
前に一度会った……」
言葉が、出てこなかった。
開いた口が塞がらなかった。
「り、莉世……?
なに、言って……」
なんで急に俺のこと、くん、づけで呼んで……
しかも前に一度会ったって、それじゃあまるで……
目の前にいるのは莉世のはずなのに。
ずっと莉世と話していると、思っていたはずなのに。
「蒼井くんこそ…なに、言ってるの?
私の名前は莉香だよ?」
「り、莉香って………」
「霧雨 莉香。
莉世の双子の姉だよ」
「っ!!」
嘘、だろ……?
ザーザーと雨が傘に当たる音が響く中、俺はその場で動けなくなってしまった。
ガクンと首が下に落ちて、完全に意識がなくなった莉世。
「莉世っ!!!
莉世っ!!!」
土砂降りの雨が当たり、どんどん冷たくなっていく莉世の体。
クソっ……!!
このままじゃ、莉世も俺も、冷えて風邪引いてしまうっ……!!
とにかく早く莉世の家に行くしかない……
なんとか莉世を片手で支えたまま折りたたみ傘を差し、抱きあげようとしたその瞬間。
「ん………」
「……莉世?
莉世っ!!
大丈夫か!?」
慌てて呼びかけると、そっと目を開き、こちらを見る莉世。
どこかぼんやりしているけど、顔色もいつも通りだし、特に体調が悪いわけでもなさそうで。
「莉世………」
そっと頬に張り付く髪を払いのけて、頭をなでる。
良かった………
ほんとに良かった……
一瞬意識が落ちたみたいだけど、また戻って。
心配で、心臓止まるかと思った……
ホッと心の中で安堵するも、傘の向こうは土砂降りの雨。
いくら意識が戻ったとはいえ、歩くのは難しいかもしれない。
「莉世、嫌かもしれないけど、俺の背中に乗って………」
確かにいつも通りだった。
声も顔も、髪型も。
だけど、違った。
「あ、おい……く、ん?」
「え……?」
「蒼井くん……だよね?
前に一度会った……」
言葉が、出てこなかった。
開いた口が塞がらなかった。
「り、莉世……?
なに、言って……」
なんで急に俺のこと、くん、づけで呼んで……
しかも前に一度会ったって、それじゃあまるで……
目の前にいるのは莉世のはずなのに。
ずっと莉世と話していると、思っていたはずなのに。
「蒼井くんこそ…なに、言ってるの?
私の名前は莉香だよ?」
「り、莉香って………」
「霧雨 莉香。
莉世の双子の姉だよ」
「っ!!」
嘘、だろ……?
ザーザーと雨が傘に当たる音が響く中、俺はその場で動けなくなってしまった。