モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。
「2つ?」
「そう。
まず、1つ目……さっきは、体の具合が悪いわけじゃないって言ったけど、本当は違うの」
「違うって?」
「病気なの。精神的なものからくる」
病気………
「……名前は、解離性同一性障害。いわゆる、二重人格」
「二重、人格……?」
「そう。多分名前だけは聞いたことはあると思うけど……」
「二重人格って、1人の人の中に、いくつもの人格が現れるって言うやつ?」
「そう。よく、表向きは優しい、でも裏では俺様みたいな男の子が出てくる少女漫画とかがあるけど、あーいう性格とかの話じゃなくて。別の人格になってる時はその時の記憶がなかったりする、ちゃんとした病気」
「今日もだけど、ふっと意識がなくなって、また戻ったと思ったら、その時には別の人格になってる。それが二重人格」
二重、人格……
その説明で、なんとなく今までの莉世の様子に納得がついた。
土砂降りの雨の日、放課後の教室で初めて莉世を見かけた時も。
天野と莉世が2人で話していた時も。
今日の帰り道でも。
ふっと意識がなくなって、首がガクンと落ちるあれは、体の具合が悪いとかではなくて、二重人格…つまりはそれが原因だったってことか……
「それと、もう1つ。前提として話しておかないといけないことがある。ちょっと、着いてきてくれる?」
「分かった」