モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。
「ここまでで何か、質問はある?」
隣に座る蒼井におそるおそる聞いてみる。
とうとう、この話をしてしまった。
もう、後戻りはできない。
蒼井の反応が怖いけれど、今は過去のことを話すのが最優先。
ぎゅっと拳を握り、混み上がる不安をなんとか堪える。
「和栗と天野のこと、聞いていい?」
「分かった。
2人のこと、まだ話してなかったもんね……」
歩優は元々同じクラスで仲が良くて、教室ではいつも一緒にいた。
そのおかげか、莉香とも仲良くて、3人で遊びに行ったり、家に来ることも多かった。
莉香が亡くなって、私の色んな良くない噂が立つ中でも、歩優だけは傍にいてくれた。
絶望だった私を、なんとか普通になるまで引っ張り上げてくれた歩優。
莉香の亡くなった原因を話しても、
「つらかったね」
それしか言わないで、私を責めるようなことは1つも言わなかった。