モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。

慌てて視線を外して前を見るけど、心臓がずっとバクバクと音を立てている。


久しぶりに見た、蒼井の瞳。


机に伏した状態で、視線だけこっちを向いていた。



はぁ……最悪だ。



きっと、バレてしまった。


私が見ていたこと。


蒼井への未練がまだ残っていること。



あーあ、なにやってるんだろう……私。


こんなバカみたいなことをしてる自分が、情けなくなってくる。


蒼井もいい加減、私に呆れてるだろうな……

断ったくせに、自分のことを気にして、チラ見してる女、なんて。


「はぁ……」



それから先生が教室に入ってきてHRが始まった。


もう絶対、見ないようにしなきゃ……


そう自分に言い聞かせて授業に臨んだ。


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