モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。
「あれ、もう帰るの?」
「うん。
なんかお母さんが早く帰ってきて欲しいって」
全ての授業が終わり、急いで帰る準備をしていると、歩優が不思議そうな顔で駆け寄ってきた。
「そっかあぁぁーーー
今日天気いいし、カフェでも一緒に行こうかなーって思ってたけど、それじゃ仕方ないね」
眉を下げて、残念そうに笑う歩優に、私はごめんと手を合わせた。
「うん、ごめん。
また今度」
「りょーかい!
じゃ、気をつけてね」
「はーい」
手を振って見送ってくれた歩優にバイバイした後
、急いで学校を出て、駅へと向かう。
早く帰ってきて欲しい、か……
お母さんがそんなことを言うなんて、今までなかった気がする。
だとしたら、よっぽどのことかもしれない。
まさか、お母さんか、お父さんの身に何かあったとか?
いやいや。
もしそうなら、そんな溜めることはないし、寧ろすぐ言ってくるはず。
じゃあ、一体なんなんだろう……?
良くない話じゃ、なかったらいいな……
それから最寄りに着き、電車から降りた私は、ダッシュで家に向かった。