モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。
「でもそれと、莉香の死がどう関係してるの……?あの時、無理に渡ろうとした私の身代わりになったからじゃないの……?腕を後ろに引かれたことも覚えてるし……」
「確かにその言葉通りなら、一見すれば事故死に見えるかもしれない。でも、莉世がかすり傷程度で済んだのなら、莉香だって、そのまま助かることはできたかもしれないでしょ?」
「まあ、言われてみれば……」
あんなに大きいトラックが突っ込んできたのにも関わらず、私はほんのかすり傷程度。
骨折も、頭を打つことも、全くなかった。
「だけど、莉香は一緒に後ろへ下がろうとはしなかった。莉世を後ろへ引いた後、ほんの僅かだけど、その場で立ち尽くしていたって」
「え……」
立ち尽くしていたって……
「その瞬間を、見ていた人がいたの。莉世と一緒に後ろには行かず、敢えてトラックの前に出るような行動だったって」
「っ……」
「その瞬間を目撃した人は、危ないっ!!って大声で叫んだらしいけど、莉香は見向きもせずに、トラックの前に立っていたって」
「そ、それじゃあ、本当に……」
震える私に、お母さんは言った。
「莉香の死因は確かに事故死。だけど、その事故が起きた本当の原因は、莉香の自殺だったの」