モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。
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「でもどうして、蒼井は私が知るよりも前に、真実を知っていたの……?」


それからしばらくして、私もお母さんもやっと落ち着いた頃、隣に座る蒼井に尋ねた。


「昨日たまたま、莉世の最寄りで会ったんだよ。それでお茶をご馳走になって、その時に聞いた」


「へー、そうなんだ……」


今まで2人が家で鉢合わせすることはなかったけど、そういや、お母さん…前々から蒼井のこと、やたらと聞いてきてたような……


って!?


「ちょっと?
私の最寄りにいたって、どういうことよ?」


なーんか、聞き捨てならないんですけど?



「まさかとは思うけど……」



ジロリと横目で蒼井を見れば、やつは急にあわあわし始めた。


「ち、違うんだって!!
どうしても莉世と話がしたくて!!
けど学校じゃ、どう頑張っても話す機会は得られなそうだし、最終手段として駅に……」


「ストーカー………」


「だからそれは不可抗力だって!!」



やっぱり蒼井は警察行き、かな?


軽蔑の視線を送る私に、蒼井は必死に弁解してこようとする。


「はいはい、莉世。
そんな冷たいことばっかり、言わないの」


「うっ……だ、だって」


「だってじゃないの。
蒼井くんは、莉世だけじゃなくて、私の背中も押してくれたのよ?感謝しないといけないわ」


うわぁ、ムカつく顔……


ピシャリと注意されてしまい、思わず言葉に詰まると。

蒼井は、私にしか見えないところでニヤリと笑い、横でペロッと舌を出した。


てへぺろ☆なんて、してんじゃないわよ!!!


あんたはぶりっ子か!!


あぁ、もう……っ


どうして蒼井の前じゃ、いつもこうなっちゃうんだろう……


ガクッと落ち込む私をスルーして、お母さんは蒼井に微笑んだ。


「じゃあ、蒼井くん。あと、お願いね?
私、買い物行ってくるから」


「分かりました」


「え、お母さん?」


そして蒼井に謎の目配せをした後、ソファーに座る私達を置いて、お母さんはリビングを出ていった。


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