モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。
「お願いって?」
「い、いや?
なんでもねーよ」
「?」
首を傾げる私とは反対に、隣に座る蒼井はなぜか変に慌てている。
「とりあえず、言いたいことは色々あるけど……」
蒼井は、仕切り直しと言わんばかりにゴホンと咳払いをした。
「はい。これ」
「なに?」
取り出したのは、薄いピンクの封筒だった。
「え、蒼井宛のラブレターか、何か?」
なんでこんな物を私に?
怪訝な顔をする私に、蒼井はため息をついた。
「なんでそうなる……
表見てみ。表」
「表?」
ペラっとその封筒の表を見て、ハッと息を呑んだ。
“ 莉世へ ”
そうはっきりと、莉香の文字で書かれていた。