モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。
。+ฺ・。ฺ・


───────莉世へ


この手紙を読んでいるってことは、これを無事に見つけられたってことだね。


いつも、2人の大切な物をしまっていた宝箱。

見つけた時は驚いたんじゃないかな?


まるで、宝探しみたいだね。


莉世には何も言わなかったけど、いつか見つけてくれるって、私は信じていたから。



◌𓈒



莉世。

まずは、謝らせて。


ごめん。

本当にごめんね……


こんなことになってしまって、莉世1人を置いていくような真似をして、本当にごめん。


莉世を悲しませるようなことをしてしまって、本当にごめん。


病気になってしまったこと、もう自分には限られた時間しかないことを、莉世にも、お母さんにも、お父さんにも、隠してた。


私が余命宣告を受けたって知ったら、誰よりも優しい莉世のことだから。絶対、涙が枯れるまで泣いただろうし、なんで自分じゃないんだって。自分がなれば良かったって、苦しんだはず。


見たくなかった。

お父さんやお母さんが。

何よりも、大好きな莉世が、私のせいで悲しむところを。苦しむところを。


いつも私の隣で明るく笑う、莉世の笑顔を、奪いたくなかった。


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