モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。
【宙side】


「莉世?」


ふとお墓を見たまま、黙ってしまった莉世。


本当のことを言ったとはいえ、ちょっとからかいすぎたか?


莉世と離れていた時間がつらかった分、また隣にいるようになってからは、自分の気持ちが抑えきれてない。


あまりに可愛い反応してくれるから、ついつい色々言ってしまったり、手を出してしまいそうになる……


ここ、外だけど。


しかもお墓の前っていう……



「莉世、ごめん。
今度は俺の部屋でふたりきりの時に言う……」


なんて、また照れる莉世が見たくて、そんな意地悪な言葉がポロッと出てきた時。



「ふふっ、蒼井くんてば、面白すぎ」



こっちを向いて、クスクス笑う莉世……


ではなくて。



「莉、香……ちゃん?」


「うん。
そうだよ」


驚きを隠せない俺に、太陽の光が地面を照らす中、莉香ちゃんはクスッと笑った。


「最後に、どうしても蒼井くんに言いたいことがあって」


“ 最後に ”


その言葉が意味すること。

俺はまっすぐ、莉香ちゃんを見つめた。



「莉世と、出会ってくれてありがとう」



「っ!!」



「この子を、光の中へ導いてくれて、本当にありがとう。蒼井くんのおかげで、莉世は今、心の底から笑ってる。笑顔でいる。全部、全部、蒼井くんのおかげ」


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