モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。

「蒼井くん。
莉世のこと、絶対に幸せにしてあげて」


笑っていた笑顔から、ふっと真剣な顔になる莉香ちゃん。

それに俺は、迷うことなく、頷いた。


「もちろんだよ。
俺から離れることなんて考えられないくらい、莉世を幸せにする」


「莉世のこと泣かせたら、私、許さないんだからね」


「んー、違う意味でなら泣かせるかもしれない」



ま、俺も男なんでね?


ニヤリと笑ってそう言うと、莉香ちゃんはふっと笑みをこぼす。


「ふふっ、相変わらずプレイボーイなんだから」


「まあね」


莉世、限定だけど。


「じゃあ、蒼井くん。
妹のこと、よろしくね。
──────さようなら」


「さようなら、莉香ちゃん」



最後に、一瞬だけ寂しげな表情だったけど、莉香ちゃんは笑っていた。


それはもう、太陽の光に負けないほど、まぶしいくらいに。

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