モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。
「っ!!」
あの日。
放課後の教室で1人泣いていて、蒼井に声をかけられたあの時。
本当は、嬉しくて嬉しくてたまらなかった。
本当の私を、見つけてくれた気がして。
「ねぇ、蒼井」
「ん?」
最近、ずっと自分の中で決めたことがある。
「耳、貸して」
「耳?」
「いいから!!」
不思議そうな顔をする蒼井に、私は背伸びしてそっと囁いた。
「大好きだよ」
たまには頑張って、素直になってみようかなって。
「っ!!」
蒼井は一瞬目を大きく見開いたけれど、すぐさまふわっと私を抱き上げた。
「ちょっ……、蒼井!?」
「………」
そして、慌てる私をスルーして、先程座っていたベンチにそのまま腰掛けた。