モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。

確か、あの子は────


あ、思い出した。

名前は…霧雨 莉世、だっけ……


同じクラスで、男子の間で騒がれてたからよく覚えてる。

常にクールな表情。

整った綺麗な顔。


どっちかっていうと、可愛いアイドル系っていうよりかは、高嶺の花…みたいな。


俺のことで騒がない唯一の子っていう印象で名前もしっかり覚えていた。


にしても、こんな暗い教室で、電気もつけずに1人で何してるんだ?


そう、思った時。


……泣いて、る?


莉世が、窓の外を。


土砂降りの雨が降る外を見ながら、泣いていた。


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