モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。
気づいた後の俺の行動は早かった。
まずはそもそも俺を嫌っている莉世に、俺を普通のクラスメイトとして認識してもらう所から始まるわけだけど……
まあ、思った通り?
中々のくせ者。
冷たい言葉で突き放すようなことを言ったり、叩いてきたり。
さすがの俺も2回ビンタをくらうのはキツかったけど……
でもその分、俺の中での莉世の存在は膨らむ一方で。
最初は守りたい、何か助けになりたい。
そう思っていたはずが、
愛おしい。
可愛い。
独占したい。
それに変わっていった。
莉世がどんなことを抱えているのか、何に苦しんでいるのかはまだ分からない。
けれど、俺はその全部を受け止める。
俺が莉世を救ってやる。
だからまずは、俺をもっともっと意識してもらって、俺から離れなくするところから始めるか。
莉世、早く戻ってこねーかな……
そう思いながら、自分の席にいた俺は、
「宙くん、何か……恐ろしい顔、してない?」
「う、うん……な、なんか獲物を狙ってる肉食動物みたいな…」
「でもそんな姿もか、カッコイイぃぃぃ!!!」
なんて言われていたことは莉世のことしか頭になかった俺は1つも知らない。