モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。
なーにが企業秘密よ?
歩優は中学から一緒だから、よく家に遊びに来てるし、そうに決まってる。
「正解」
ニッと笑ったその顔は、太陽に反射してキラキラと溢れんばかりの笑顔。
よくもまあ、朝っぱらからそんな笑顔で笑えるね……
そこだけは、唯一尊敬するわ。
「蒼井さ、人の家の住所勝手に調べて、家の前で待ってるとかストーカーじゃん」
「そんな人聞きの悪い言い方、すんなって。
俺は莉世の傍にいたいだけ」
っ、なによ、それ……
「だ、だからって、こんな朝っぱらから家の前に立ってるとか、警察に補導されるかもよ?あ、なんなら1回逮捕でもしてもらえば?」
「莉世って、ポリスのコスプレ似合いそうだな」
「キモっ……」
全然話通じてないし、挙句の果てには変態発言。
一瞬、蒼井の言葉に反応しちゃった私がバカみたい。
てか、記憶から消したい。
蒼井……本当に警察行ってきたら?
「和栗に、莉世の部屋に入ってキスでもして起こしたら?ってニヤニヤしながら言われたんだけど、した方が良かった?」
「いえ、結構です」
そのニヤニヤ……
歩優じゃなくて、蒼井の方でしょ!!?
バッサリ捨てる私と、ニヤニヤ笑いながら私を楽しそうに見つめる蒼井。
顔だけは整ってるから、その笑みも様になってるのがなんだか悔しい……