モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。
「本当は、毎日朝のハグしたいから、家まで迎えに行きたいんだけど」
「はあ?」
調子が狂う、なんて思って動揺していた私は、ピシッと固まる。
ハグするためにわざわざ家まで行くって、どういうこと!!?
意味が分からない……
「頭、大丈夫?」
「頭の中なら、いつも莉世のことしか考えてないけど?」
「…………」
もう、返す言葉がない……
この男…もはや、手遅れ。
真面目な話、警察進めた方がいいかもしれない。
もしくは、精神科。
ドン引きの目で見るけれど、蒼井はただニヤリと笑うだけ。
「だってさ、抱きしめた時の莉世の顔、マジで可愛いから、誰にも見せたくないんだよ」
「は、はあ!?」
振ってきたその言葉は思ってもみないもので、驚いて一際大きな声を出してしまった。
な、なに変に反応してるの、私!?
可愛いなんて、蒼井なら誰にでも言ってそうなことでしょ?
まだHRが始まるまで時間があるせいか、人がまばらで気づいている人がいないのが、唯一の救い。
はぁ……良かった。
「そんなに大きい声出すほど、嬉しかったんだ?そっか、そっか〜」
「だから、違うって!!」
話、聞け!!!