モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。
嬉しそうに隣を歩く蒼井があまりに嫌すぎて睨んでるだけなのに、訳が分からないことを言い出す始末。
理性壊すとか、本当何言ってんだか……
こっちはイライラで精神が壊れそうだわ!!
「あ、黙っちゃったってことは図星、なんだ?」
そう言うと、意地悪そうに笑って、私の腰に手を回して引き寄せた。
!!?
「きゃあぁぁぁー!!!」
「あ、蒼井くんっ!!!」
教室まで目の前、とにかく女子が多いところでそんなことをされて、私のイライラゲージはもう限界。
「朝から思ってたけど、莉世抱き心地よすぎ。
あー、マジで家持って帰りたい」
「ちょっと、今の蒼井くんの発言聞いた!?」
「聞いた、聞いた!!
2人、付き合ってるみたい!!」
付き合ってません。
「羨ましすぎでしょ、霧雨さん!!
宙くんが彼氏とか、人生勝ち組じゃん!!」
どこが?
蒼井と一緒とか、勝ち組どころか、負け組だと思うよ。
皆、目……節穴じゃない?