俺様王子が恋をした
「あぁ?わりいかよ!」

そう言って、照れ隠しなのか頭をかいてる。

その仕草が可愛くって
くくっと笑いがもれてしまった。


「・・・お前笑ったな。
 俺の愛の深さ分かってねーみたいだから
 教えてやるよ。」

笑ったことを後悔したのはその数秒後。

すぐ横にあった路地に押し込まれ、
無理やりキスをされた。


強引だけど溶けそうなキス。

「…っ!」

息をしたくて口を離そうとしても
後頭部を抑えられ、それすら遮られる。

かろうじて口の少しの隙間から
酸素を取り入れ、どのくらいの時間が経っただろうか。
長いような短いような、
酸素不足のせいかフワフワしてる。

気が済んだような先輩はゆっくり離れ、
力が入らない私を支えてくれた。

不敵な笑みを浮かべながら耳元で囁いた。
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