俺様王子が恋をした
「ごめん、なさい・・・。
 先輩との約束、まも、れなかった・・・。」


さっきまでの葛藤はなくなっていた。
正直に話さないと。
先輩に嘘はつきたくない。
嫌われてもしょうがない。
ただ、その必死な気持ちが言葉になって
めちゃくちゃな日本語で先輩へ伝わった。


『わかったから、待ってろ。』


私の話を聞き終わった後
それだけ言って電話は一方的に切られた。
その時の声は、一番最初電話に出た時の
優しい声とは真逆の
低くて、怒りを隠しきれないと言った声だった。
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