俺様王子が恋をした
そしてそのまま
私は先輩にお姫様抱っこをされていた。

「ちょっ///」

「黙ってろ。行くぞ。」

抵抗しても無駄だと思ったので
恥ずかしさに耐え、大人しく抱きかかえられていた。





しばらく廊下を歩いた。
「せ、先輩。」

「ん?」

さっきまでと違って本当に優しい雰囲気に戻っていた。

「あの、ありがとうございました。
 こんなところまで来てくれて・・・。」

私が先輩の首に手を回し
少し顔を離した状態でお礼を言った。

「よく出来ました。」

と、頭を撫でられない代わりに
おでこをコツンとくっつけてくれた。

この笑顔。この言葉。
まだ私に向けてくれるんだ。

そう思うと自然と笑みがこぼれた。
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