俺様王子が恋をした
そのまま
あっさり帰ろうとしてしまう
先輩に
もっと一緒にいたい!
と、思ってしまう自分がいて
気付いたら後ろを向き
歩き出そうとしてる先輩の
服の裾を掴んでいた。

「あっ」

何やってるんだろう。

「どうした?」

いつもなら絶対に言えないけど
今はなんか素直に言える気がした。

「寂しい、です・・・。」

こんな事を言ってしまった
自分が恥ずかしくて俯いた。

少し時間が経っても
先輩から何の反応もなくて
上を向こうとしたら
先輩に後頭部を抑えられ顔を上げることを
許されなかった。

「ダメ。今こっち見ないで。」

ダメと言われたら見たくなるのが
人間の本能で。
私は先輩の手を潜り抜けて
顔を見上げた。
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