俺様王子が恋をした
「話…続けてください…」

ゆっくり頷いた先輩は続けた。

「あいつ、安藤りりかって言って
 俺のクラスのやつなんだけど
 告白されて、真優華と別れろって言われたんだ。」

え…

「もちろん俺にそんな気はない。
 だから断ったけど、そしたら
 別れなきゃ真優華がどうなってもいいのかって…」

「そ、そんな…」

「あいつは今まで欲しいものは何でも
 手に入れてきたやつなんだ。
 社長令嬢らしくて。手段は問わない。
 だから俺は真優華を守りたくて
 一つの決断をしたんだ。」

けつ、だん…?

「かっこ悪いけど、今の俺には
 こうするしかなくて
 親に頼み込んできた。
 『仕事を継ぐ代わりにあいつがなにも
  出来ないように協力してくれ』って。」

それって…

「俺さ、今まで敷かれたレールの上を
 歩くのが嫌でずっと反抗してきたんだ。
 そのせいで両親は俺に期待しなくなった。
 でも必死で頭を下げて継ぐことを条件に
 了承してもらった。」
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