俺様王子が恋をした
急に恥ずかしさが込み上げてきて
勢いよく先輩から離れた。

離れた後の先輩は不機嫌そうな顔をしていて

「おい、斎藤。お前のせいで雰囲気台無し。」

運転手さんに怒ってた。
……そっか、斎藤さんって言うのか。
って違う違う。

そうじゃなくて見られて笑われてたんだよね。

「すみません。つい。
 あの坊ちゃんがこんなに女性に甘いのは
 初めて見たものですから。」

え?

「おい、余計な事言うな。」

少し強めの口調で話す先輩だけど
顔は少し赤く染まっていて
照れているんだとわかったら嬉しくて、
今度は私が先輩にぎゅーって抱き着いた。
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