俺様王子が恋をした
「嘘だよ。楽しみにしてるから。」

そう言って頭に
ポンポンと温かい感触が残った。

とびっきりの笑顔と共に。


「……っ!」

思わずその笑顔に胸がドキっと反応した。


「ここ、照れるとこ?」

顔を覗き込んできた先輩に
また顔が熱くなる。

「まゆ、ほんと忙しい。
 照れたりしょげたり、笑ったり。」

冬で寒いはずなのに先輩のせいで
熱くなった私の手を握って歩き出した。
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