俺様王子が恋をした
入口からCAさんのそんな声が聞こえた。


本当の最後だ。


私は溢れる涙を無理やり拭って
精一杯の笑顔を向けた。


「……いってらっしゃい!!
 私は変わらずこっちで待ってますから。」


最後くらいは
笑っている私を覚えていてほしいから…。


「……行ってきます。」


最後にもう一度きつく抱きしめあって
先輩は行ってしまった。
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