俺様王子が恋をした
「せん、ぱい…?」

ずっと待ち焦がれていた
最愛の人がいた。


「ただいま」

そう言ってほほ笑む顔は
前よりずっとずっと
落ち着いていて大人の余裕があって
だけど、私が大好きな笑顔に変わりなかった。


「本物ですか…?」

信じられなくて頬をつねってみても
痛いだけで。

「本物だからやめろって。
 赤くなる。」

ゆっくり私の手を頬から離す時に触れた手は
4年前と同じ温かさで
本当に先輩だと実感した。
< 381 / 390 >

この作品をシェア

pagetop