僕は雲になりたい
女子生徒の意見
遠足前日の夜僕は友達に、メールをした。
「明日一緒に回るの無理だ」
「だろーな(笑)だと思ってたよ!(笑)まぁ俺らのことは気にすんな!」
いい友人を持った。だが、「だろーな」とはいかがなものか。まるで公認のカップルのように思われてるみたいで僕は嫌だった。
当日僕は重たい腰を上げて、自宅の最寄駅に向かった。
駅に着くと、現地まで一緒に行くと決めていた友人が2人、既に待っていた。
「もう待ってたんだ。行こっか」
「いやーお前も罪な男だな〜」
いつから僕は罪な男になったのだろう。少なくとも今までの恋人には、誠実に付き合っていたはずだ。まぁ、好きにはなれなかったが。
電車で向かっている最中、僕は必死に友人の誤解を解こうとした。
「だから付き合ってもないし、好きでもないって」
「でもさ、あの子変わったよな」
「変わった?変わったって何が?」
「あー俺1年の頃同じクラスだったんだけど、、、」
友人が話し終える前に、僕達の存在に気づいた学校の女子生徒が数人話しかけてきた。
「おっはよー!」
「あーおはよ!」
「おはよ〜」
僕の友人2人が、挨拶を返した。話を遮られた僕は、そんなことよりさっきの話の続きを、と思ったが、女子生徒が話し始めてしまった。
「あ、これはこれは柴田君、おはようございます」
なんと腹立たしい挨拶だろうか。面識はあるし、友人とも呼べる間柄なのにこの挨拶の仕方はとても腹立たしい。大方見当はついている。
「本日の目標を一言どうぞ」
僕にマイクを向ける素振りをしてきた。予想通り宮澤さんのことだろう。話が回るのが早い。
「だから付き合ってねーって言ってんだろ」
「往生際が悪いな〜。もう諦めなって。みんな知ってるからいいじゃん」
「いや、逆だからね。何も知らないんだよお前らは」
「だって告白したんでしょ?」
「いや、まぁしたけどさ、それは誤解なんだって。間違いなんだよ間違い」
そう間違いである。決して好きではない。だがいくら説明してもそのくらいで引き下がる程、甘くはなかった。
「きゃー!最低!間違いだって間違いだって!嫌ね〜最近の若者は」
自分も若いだろうに。
「いやそろそろ真剣に聞いてくれないかな」
もう疲れた僕は願いを込めたつもりで女子生徒に話した。
「まぁ真面目な話さ、なんかの間違いだったのかもしれないけど、相手が告白されたと思ってる訳だし、したのも事実だし、今更付き合えないなんてひどくない?」
なんと真っ当な事を急に言うのだろう。言われてみれば確かにその通りだ。僕は酷い人間なのかもしれない。
女子生徒は続けた。
「それに、付き合ってみて分かることって結構あると思うよ。もちろん悪い所も見えるだろうけど、付き合ってみて好きになるって事結構あるしさ!」
驚いた。こんなにまともな意見を言ってくれるとは。だが僕は付き合ってみて好きになる、なんてことはまずない。今までもなかった。それどころか女の人を好きになった事がなかった。
「あ、ちなみに私は好きじゃないと付き合えないけどね!」
なるほど。まぁそれが当然といえば当然だろう。普通なら好きになってから付き合う。もちろん相手に告白されて付き合ってから好きになるというのも一つの手だが、本来お互いが好きになってから付き合うのが理想だろう。
「まぁ深く考えずに付き合ってみなよ!それしか言えない!でも女の子傷つけたらだめだからね〜」
それは心得ているつもりだ。もう既に傷つけてしまっているのかもしれないが。
「そうだぞ!女の子傷つけたら友達としてお前を許さないからな!」
友人も割って入ってきた。だがさっきまで茶化してた上に、まともな意見一つも言わない友人だ。許す、許されないなどこの友人に言われたくはない。
その後、現地に着くまで他愛もない会話をしていた。僕は今日、彼女としっかりと向き合って楽しもうと少し思っていた。
「明日一緒に回るの無理だ」
「だろーな(笑)だと思ってたよ!(笑)まぁ俺らのことは気にすんな!」
いい友人を持った。だが、「だろーな」とはいかがなものか。まるで公認のカップルのように思われてるみたいで僕は嫌だった。
当日僕は重たい腰を上げて、自宅の最寄駅に向かった。
駅に着くと、現地まで一緒に行くと決めていた友人が2人、既に待っていた。
「もう待ってたんだ。行こっか」
「いやーお前も罪な男だな〜」
いつから僕は罪な男になったのだろう。少なくとも今までの恋人には、誠実に付き合っていたはずだ。まぁ、好きにはなれなかったが。
電車で向かっている最中、僕は必死に友人の誤解を解こうとした。
「だから付き合ってもないし、好きでもないって」
「でもさ、あの子変わったよな」
「変わった?変わったって何が?」
「あー俺1年の頃同じクラスだったんだけど、、、」
友人が話し終える前に、僕達の存在に気づいた学校の女子生徒が数人話しかけてきた。
「おっはよー!」
「あーおはよ!」
「おはよ〜」
僕の友人2人が、挨拶を返した。話を遮られた僕は、そんなことよりさっきの話の続きを、と思ったが、女子生徒が話し始めてしまった。
「あ、これはこれは柴田君、おはようございます」
なんと腹立たしい挨拶だろうか。面識はあるし、友人とも呼べる間柄なのにこの挨拶の仕方はとても腹立たしい。大方見当はついている。
「本日の目標を一言どうぞ」
僕にマイクを向ける素振りをしてきた。予想通り宮澤さんのことだろう。話が回るのが早い。
「だから付き合ってねーって言ってんだろ」
「往生際が悪いな〜。もう諦めなって。みんな知ってるからいいじゃん」
「いや、逆だからね。何も知らないんだよお前らは」
「だって告白したんでしょ?」
「いや、まぁしたけどさ、それは誤解なんだって。間違いなんだよ間違い」
そう間違いである。決して好きではない。だがいくら説明してもそのくらいで引き下がる程、甘くはなかった。
「きゃー!最低!間違いだって間違いだって!嫌ね〜最近の若者は」
自分も若いだろうに。
「いやそろそろ真剣に聞いてくれないかな」
もう疲れた僕は願いを込めたつもりで女子生徒に話した。
「まぁ真面目な話さ、なんかの間違いだったのかもしれないけど、相手が告白されたと思ってる訳だし、したのも事実だし、今更付き合えないなんてひどくない?」
なんと真っ当な事を急に言うのだろう。言われてみれば確かにその通りだ。僕は酷い人間なのかもしれない。
女子生徒は続けた。
「それに、付き合ってみて分かることって結構あると思うよ。もちろん悪い所も見えるだろうけど、付き合ってみて好きになるって事結構あるしさ!」
驚いた。こんなにまともな意見を言ってくれるとは。だが僕は付き合ってみて好きになる、なんてことはまずない。今までもなかった。それどころか女の人を好きになった事がなかった。
「あ、ちなみに私は好きじゃないと付き合えないけどね!」
なるほど。まぁそれが当然といえば当然だろう。普通なら好きになってから付き合う。もちろん相手に告白されて付き合ってから好きになるというのも一つの手だが、本来お互いが好きになってから付き合うのが理想だろう。
「まぁ深く考えずに付き合ってみなよ!それしか言えない!でも女の子傷つけたらだめだからね〜」
それは心得ているつもりだ。もう既に傷つけてしまっているのかもしれないが。
「そうだぞ!女の子傷つけたら友達としてお前を許さないからな!」
友人も割って入ってきた。だがさっきまで茶化してた上に、まともな意見一つも言わない友人だ。許す、許されないなどこの友人に言われたくはない。
その後、現地に着くまで他愛もない会話をしていた。僕は今日、彼女としっかりと向き合って楽しもうと少し思っていた。