Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~

 部屋に入ると、そこは暖かく、雨宮が暖房をつけたままにしていたことが分かる。
 ダイニングテーブルの上には今朝千紗子が置いた書置きがそのままになっていた。

 【 雨宮さんへ

  お疲れ様です。
  夕飯は温めるだけにしてますので先に食べて下さい。

  ・ロールキャベツ
  ・クリームシチュー
  ・パン

  ロールキャベツとクリームシチューは
  お鍋に入っていますので、食べる前に火に掛けて温めてください。
  パンはお好きな物を食べてください。

                        木ノ下 】


 雨宮が出勤した後作った夕飯の説明を書いたメモを、分かりやすくテーブルの上に置いておいたのだ。
 裕也と暮らしていた時は、置き手紙ではなく彼の携帯にメッセージで夕飯の詳細を送っていたのだけど、上司の雨宮に夕飯のメニューをメッセージを送るのは気が引けて、千紗子は迷った末、メモに書いておいて置くことにしたのだ。
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