Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~
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『好きだよ、千紗子』
心地良い低音の声が耳元をくすぐる。吐息がかかってくすぐったくて、千紗子は肩を竦めた。
その声に応える為に口を開く。
千紗子が口を開いて最初の一言を声に出そうとした時、反対の耳から女の声が囁いた。
『あなたじゃ物足りないわよ、きっと』
ハッと振り向くと、女は真っ赤な唇を歪めながら言葉を続ける。
『抱き心地が悪いから欲情しないでしょ?』
足元がガラガラと崩れ落ちて、真っ暗な中に吸い込まれるように落ちていった。