Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~


 『俺にはなんでもハッキリ言って欲しい。』
 
 耳元で柔らかなバリトンボイスが囁く。

 『俺は君の気持ちを知りたい。』
 『俺は君にちゃんと言葉にして話してほしい』
 『俺には千紗子のどんな顔もどんな台詞も、すべてが魅力的に映るんだ』

 いつだって千紗子の気持ちを一番に考えてくれた彼の言葉が、千紗子の記憶の中から次々と湧いてくる。
 その言葉に背中を押されるように、気付くと千紗子は口を開いていた。

 「ごめんなさい…。」

 千紗子はポツリと口にした。
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