Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~

 最初から激しく荒々しい口づけに、千紗子は息が止まりそうになる。
 まるでお腹を空かせた獣がやっと餌にありつけた時みたいに、今にも千紗子を貪り尽くそうとしているような、そんな口づけだ。

 けれど千紗子はその口づけになんとか応えようと、精一杯彼の舌を受け入れる。
 雨宮の服にしがみ付きながらも必死に反応する千沙子に煽られたのか、口づけは激しさを増した。
 
 千紗子は雨宮の胸の辺りのシャツをギュッと握りしめる。
 努力も虚しく、千紗子の体からは力が抜け落ち、為す術もなく身を委ねることしか出来なくなってしまった。

 長い時間熱い口づけに翻弄された千紗子は、気付くとベッドに横になっていた。唇が腫れぼったく濡れているけれど、そんなことに構っている余裕すらない。ただ荒い呼吸を繰り返すだけだ。

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