Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~

 『まだ熱が高い。とりあえず水分を取って、あと食べれるようなら何か食べてから薬を飲もう。』

 そう言って手渡されたペットボトルのスポーツドリンクを、千紗子はじっと見つめる。
 熱でぼんやりする千紗子には、どうして自分が雨宮の寝室で寝ているのか思い出せない。

 『あの…私、どうやってここに?』

 熱のせいで掠れた声で、何とかそれだけを聞く。

 『…ああ、ちぃは覚えていないのか。あれから俺は自分のマンションに戻って、車を取ってからちぃの部屋に戻ったんだ。部屋の鍵は持って行くって言っただろ?それで寝てるちぃを俺の部屋まで運んだんだ。』

 『え……?』

 『一応声は掛けたけど、熱が高かくて覚えてないか?』

 『……はい。』

 『俺の部屋の方が世話しやすいからな。ベッドも広いし。』

 『ありがとう、ございます……』

 『さぁ、もういいだろ?ちゃんと飲んで水分補給して。』

 千紗子は促されてペットボトルに口を付ける。ゴクンと飲むと、体に水分がしみ込んでいく感触がして心地良く、自分が思っていたよりも体は水分を欲してようだ。

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