Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~
「っ、千紗子?」
自分の腕の中に閉じ込めている千紗子が、自ら抱きついてきたことに、一彰は驚きを隠せない。
千紗子はそんな一彰の体に抱きついたまま、顔を上げてしっかりと彼を見つめると、口を開いた。
「そんなふうに妬いてもらえてるなんて知りませんでした…嬉しい。」
一彰が目を見張る。
「私だって、いつも妬いてます。一彰さんが素敵でモテるのは前から分かっていたことだけど、こうして恋人になったら、そのモテる様子をはたで見ていると、どうしようもなく嫉妬してしまいます。」
言いながら何となく思い出して、少しむくれてしまう千紗子の頬に、柔らかな物が押し当てられる。
ちゅっという音を立てて離れたあと、千紗子を抱きしめている腕に、きゅっと力が込められる。
「俺はちぃのことしか見てないよ?他の人にモテても全然嬉しくない。」
千紗子は一彰の背中の服をキュッと握って、その胸に顔を押し付ける。
息を吸い込むと、華やかな甘みのある爽やかな香りが鼻から抜けて、千紗子の胸がきゅんと甘く疼く。
「分かってる…つもりです…でも、いやなものはいやなんだもん。」
駄々をこねる子どもみたいな口調になってしまった千紗子に、クスッと笑った一彰は、彼女のつむじに唇を落とした。